冬至にはコンニャクを

中国の古い書物『黄帝内経』では「冬は蔵する」とされ、私たち人間も野山の木々も寒さから身を守るために身体の奥に生命力を蓄える季節といわれています。冬至はそれらを蓄える力が一番強まり、このあと春に向かってエネルギーをたくさん使って芽吹くための準備をしているところです。
寒さや冷えにより新陳代謝は落ちやすい季節ですが、安静時の基礎代謝量が一番高くなる季節でもあるので、体の中ではおもに肝臓・筋肉・脳などの春に向かって養生するべき臓器が生命活動を維持しようと頑張っているところです。
冬至には昔から、南瓜や小豆を食べて柚子湯に入るという風習もあり、それらは薬膳的にも体を温め体内をお掃除して風邪を予防するという働きもあります。地方によっては冬至にコンニャクを食べて「一年の砂払いをする」というところもあります。

12月号『農業いばらき』にコンニャク芋のことをご紹介しましたところ、見てくださった方から手作りの生玉コンニャクをいただきました。手作りならではの食感と風味が滋味深く体に染み込みます。

これから寒さは厳しくなると思いますが、毎日の食卓では食物繊維が豊富なコンニャクなどの根菜類も摂りながら栄養バランスの良い食事を心がけ、薬膳的には五味・五色・五法で調理し、春に向かってゆっくりとしたペースで体の衣替えをしていきましょう。